充実した一年でした。
そう言い切りたい。
子供達と肌をすり合わせる機会がとんと減った。
食べ物や学校用品や衣服やおもちゃは満たされているようだ。
今年はたぶん一度もビンタする事がなかったと思う。
その分、細君は叩き傷ついていたに違いない。
覚悟して過ごさねば。
少ない機会で伝え、伝わりたい。
多くを語る必要は無い。
たくさん彼らの話を聞いていられるように。
クリスマス。
俺の機会ではないけど、おもちゃしかプレゼントできない自分を恥じながら愛している事を想像している。
音楽は贅沢になった。
バンドは生き物でどんどん精神を食っていく。
近頃は演じる事を意識しなくなってきた。
「はいりこまなきゃ」と思わないのだ。
直近のライブでは2度もしくじった。
逆に自分の悦に行ってしまったのだ。
松本の音が聞こえ出してきて、ヨシダ君の鍵盤が鳴っていて、どこをとっても俺の空間であり、機会を何度も得ている。
でも少ない機会で伝えたい。
自分を撫で回す必要はない。
一人一人のお客の顔を見れるように。
器用ではない手段しかとれない自分を恥じながら、でも自分が誰に何を歌っているのかを想像し合えるように。
本当に泣きたい顔って実は無表情だったりするのだけど、
色んな顔で話せる友が居て、出会えて、分かれて、良かった。
みんなが長く付き合ってくれるといいな。
そんな機会を自分が作れるのが大人になるってことなんだろうか。
いや、違うかな。
どうせ言葉遊びだ。
俺は俺に従っているだけ。
来年も呑めるように体にも従わなきゃ。