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兼業SSW、宅嶋淳の徒然です。

月のギター、夜のピアノ

7時起き。そそくさ準備。細君珍しく弁当くれる。ああ、そうか最近骨折久美子の代打やもんなあ。感謝。
9時に事務所。明日提出の図面・工程表ちくちく作る。

ようやく新曲の仕上げに。頭でかんで吐き出す、これが俺の行程なのに今回はちょっと違う。サル兄が詞をメールしてきたからだ。
「かくもある現実」はやがてロックンロールになるはず。これと対のような「月曜日~」は踊りたい。頭の中ではケチャケチャと人が踊る。歌はしんねりと。

サル兄の家に行き打ち合わせ。
大事だからね今日もさ。
なけなしの銭でタクシーでゴー。
ん、まずい。リハでなぜかギターの音を見失う。体調はそこまで悪くないけれど妙にハリネズミになる俺。苛苛。
コンドウさんはやわらかい。王子と思った俺の感は当っている。やさしい人だ。


前回のワンマンに加え、クリック主催。しかもラモンくんやスカピン兄も手伝いに。
己の役割はよく承知しまくりだ。友達の悲しい顔は見たくないし、苦笑も嫌だ。
しかし何よりサル兄と俺にはビッグママ国が背中にある。
ちゅどーんとやらなきゃ首領様であるリーダーに何という。
開始直前、ともかく呑んで下げているとサル兄がすばしっこい。
「なんかいい匂いがするばい!」とか。あんた・・・。同感だけど。

うなづきながら聴いてくれる優しい女性が多い中、ストレートにやれました。
なんのとりえがなくてもこれが好き、と歌詞を確認しなくていいときはできるだけ前を見た。短かったけど、密かに燃焼。

コンドウさんがストイックに歌いだすと客席はキラーン。そうよね。
俺は厨房入り口に座ってくつろいだ。
今まで見たことの無いケン兄の仕事場がそこにあった。きれいにしてある道具、汚れた壁。男の仕事場だ。
仕事場であるだけでなく俺をはじめとする多くの友達の「場」がここの店。
変わらないものは無いし、みんな変わっていくのだ。
ケン兄に頑張ってというのは簡単だし、それはそれでいい。
店は彼の舞台で城だもの。
でも俺を前に進めてくれるちからをくれるように、俺もケン兄やみんなが前にすすむちからになりたい。
うつらうつら考えた。
コンドウさんが歌っているときお母様(と聞いた)が澄んだ目で息子を応援してた。
イカラなお母様であった。谷川俊太郎の「あわてなさんな」が良く似合うお二人だ。

打上げは楽しかった。島根からこられてあったI島さんをピノ姉から紹介いただいたからだ。ほめてくださるのが最初はもう追試を受ける生徒の気分だったけど。
自分がやりたいからやってる、で俺は完結しがちでよく叱られるのはこういうことだったのかと思った。
自分のことを知ってくれて嬉しかった。誰かが「孤独を感じないように」歌うのではなくて、感じてくれるひとがいるから孤独じゃない、って思えるのだ。
大したことを俺はやっているわけじゃない。家一軒建ててない。

でも、「初めて聞いたけどよかった」とCDを買ってくださった方、「よかった」と声をかけて下さった方、「ビッグママの由来は?」とたずねてくれた方、遅くまで呑んでくれたN美ちゃんや、うっかりさん、サル兄だけではなく俺にも欠かせない本屋さんズ、西山兄弟にM子はん、熱い人・I島さんとNみんさん、コンドウさん、ピノ姉、そしてケン兄。今夜がとても大したことだ。俺にとって。
深く感謝。
そして上積みを。