予定の仕事が飛んだ。
こんなことなら能古島に行くべきだった。
家族にも会いたい。
と、なんだか人恋しい残暑だ。振り切ろう。
電車を乗り継ぎ琵琶湖へ。
乗り継ぎを間違え目的地と違うところに到着。それも良し。
俺の好きな低い屋根の町ばかりだ。
そうこうしているうちに天気が崩れ何よりも恐ろしい雷が空を引き裂く。
もう、44マグナムですよ。
そんなジューダスプリーストな雨に打たれ、ネットで見つけた宿に着く。
け、健康ランドやん・・。
んー、狭い畳の部屋でゴロゴロして、飽きたら琵琶湖か史跡巡り、そんなムードじゃなくなってきた滋賀。
しかし俺もカンニング竹山にそっくり中年男子。
きっちりマッサージまで受け部屋で死んだ。
夜中に起きて徘徊。
駅まで歩く。なんだ近いね。
鈴虫の声、心地よい風、首までとっぷりと夜に漬かった建物たち。
串かつとビールで心は大洋ホエールズ。ほえー。
明日がどんな日でもあんたと会えたらいいな、とかのたまう妖怪に憑依されたような若者とすれ違いながら、ようやく夏とすれ違った。