最後のチャーを聴いたのは三月十日の夜だった
アップルジュースを飲みながら彼女が来るのを待っていた
失った
僕は失った
恋の指定席
会社勤めは長いけど横領したのは初めてさ
罪悪感と緊張感 そいつが恋の正体さ
笑われた
君に笑われた
まるで石の虫
僕の小さなマスコミや 僕の小さな警察は
雨に打たれて流された
そいつは誰かのせいじゃない
歩いてた
夜を歩いてた
僕の二本足
一から十まで揃ってる 会社支給の刑務所で
あの日のチャーを思い出す 心は電気で出来ている
震えてる
僕の指
きっとチャーになる