つげ義春の漫画で「石を売る」という作品が好きだった。
まるで歌を作って売る行為そのものだからだ。
真新しい歌はそりゃあ探せばどこかにあるのかもしれない。昨日生まれたばかりの石のように。
ただほとんどの石は変わり続けた姿であり、いつかは水になってしまうものもある。
石でいる短い姿を眺めやってはいかがかな、と僕も石を売りそうになってきた。
15ヶ月ぶりのラフハウス。
今城さんとの共通点は同じ歳というだけではなく、そんな「石」を磨くタイプだということだと思っている。
(ちなみに今城さんは数種類持っているし、簡単に他人には見せない)
ライブハウス、という商売は今や「石屋」に近くなっている。
ただし、アップデートするかしないかはその主人次第だし、そのお客さんにもかかっている。
お客さんが「昔の○○が良かったなあ」と言い続けていたらその店はたぶん置物になってしまう。飾り、と言ってもいいかもしれない。逆に昔の○○を味わえる装置やサービスを発明するといい。
僕らが音楽から受けた感銘をなにかで発明すれば、それはもう音楽だ。
それがたこ焼きでも。
だから福岡のローカル某局のプロモーション用のキャッチコピーが「ロックに自由に」と聞いた日には心が荒れた。
通りがかりの野良猫にまで悪態をつきたかった。なんじゃぼけぇ!ぎゃー!
いや、なんの話。
とにかく、よ。
とにかく今城さんは磨き続けておったんじゃよ。
若いの、よく見るが良い。
音楽で飯を食うために何を磨くのか。
この日は配信というフォーマットだった。
配信でしか出来ない表現もあるよな、と思いAメロでずっとカメラを見ながら歌ってみたりした。
宿に帰って自分で配信を見直したらゲーが出そうだった。きっしょくわりー。
全然表現出来てないやんけ。
僕は歌だけだった。
でもね、この日たくさん話してガッツとヒントもたくさんもらえた。
あとは俺ならどうする?何を思いつく?、だ。
カメラ目線で太った細目が伝えられることではない。
歌も言葉もある。
あと、会いたい人がいる。
流れつづけよう。たとえ流されても。
まるで個展の案内と化した魔界への入り口。
白いシャツで黒縁メガネにすべきでした。
黒いクマ男が伏し目がちになにしとんねん。
めずらしいカヴァーをやってます。
まだアーカイブを買えるので是非!
Set List
雨のメインストリート(アクシデンツ) 美しい夜に(メインストリート/一回転) 僕のほころびの場所から(ヒートウェイブ) End of the Night(THE MODS) 愛の人工衛星(Lou Reed) 赦してくれるかい ごまのはえ(The Rolling Stones) 涙あふれて(The Rolling Stones) 恋のうた #俺の女を殺さないでくれ