亡くなった後の部屋から大事なものをアジと運びだしたのもこんな寒い日だった。
そういう風に思い出せば確かにそうなんだけど、だからと言って特別な感傷は無い。
「そうやね、もうそんなになるんやね」
と言ってみるくらいで、記念日になるわけでもないし、あいつを偶像にするわけでもない。
そもそもそういう「記念日」が好きではない。
友達には彼女と出会った日や付き合い始めた日を月命日みたいにして、食事に行ったり祝ったりするという特殊技能を持ったやつもいるけれど、俺にはさーーーーぱりその感覚がわからない。
は?
へ?
みたいな。
忙しい毎日だから、そういう日くらいは思いを寄せあって温めあおうね、という主旨だという事くらいはわかりますけども、ええ。
いちいち確かめ合う態度が嫌なのだ。
酒が不味くなる。
事業ではないから、四半期ごとのテーマは無いし、お互いの幸せに向かっていくマイルストーンもクソも無い。
無い、無い、無いったら無いの。
1日、1日を大事に生きればイイジャナイデスカ。
そんなの難しいから、毎日やってみてるンジャナイデスカ。
思い出のタイムバーゲンか。
嫌、嫌、嫌だったら、嫌なの。
まさに「タイムバーゲン」にして、イベントは作っていく。
今回の企画だってそうかもしれない。
ハシにしたら「いちいち俺を担ぎ出すなよ、面倒くせえ」だろうね。
そう思うよ。
だから半分くらいにしといたったい。お前の文句は半分しか聞きたくない。
思い出にかかった鍵をいじるながら歌うのがブルースなら俺は得意じゃない。
失敗ばっかりする癖に、その日出会ったばかりのお宝に酒を奢りたくなるのがブルースだと思う。(え、本当か)
「bigmamaの絵になるくらいだ」はそんな新しいお宝を見つける夜にしたかとです。
ハシの作った歌は気恥ずかしくて歌った事が無かったんだけど、今ちょうどいい。
若年寄のあいつの生意気な告白が45歳に伝わっとります。
そろそろ始めよう。
わからない人にわかってもらう努力は出来んけど、伝わらない人に伝える努力は出来る。
記念なんて山ほど出来るくさ。
11/4、お待ちしてます。