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兼業SSW、宅嶋淳の徒然です。

舞踏

今までに数回、とは言わんくらい舞踏を見た。
最初はレコード屋に勤めていた時に仲の良いお客さんや同僚からそうした世界があるということを教えて貰ったのがきっかけだった。

写真集?で土方巽という人の様を見たのだけど、若い俺には大層な刺激だったのだ。
スタイルを模倣することから始めるロック?に徐々に抵抗感が生まれていた頃だったので、「自分で創る、自分で自分で」という自分ちゃんにあっという間になってしまった。

さて、舞踏です。
イベントで照明・音響のお手伝いと山口千春という舞踏人を好きになったことから幾度か観に行く機会が増えた。
「自分をちぎってバーンと投げ散らしてそれを集めたりするんです」という彼女らの言葉が理解できたのは、縁が遠くなってしまった最近のことだった。
ある種のヒステリーか?と思いたくなるような他の演も見たりしたが、人は「違う」のだということが楽しかった。
ただ「違い」の向こうが壁であったり暗闇であったら俺は見たくはないなあと思っている。

腕がまっすぐ伸び、二の腕から指先に1つの線が走った瞬間や、モノのように放り出された体が回り、暴れ、静まる、静かに動くそんな動きを見ていると、「人ってこうだなあ」と思える。
人を見せる人ばかりでは無いし、俺には美的センスが無いから美を語れないけど、「在る」から人が「有る」。
そんな思いは舞踏で知った。

受け売りばかりの36年。
37年目には何ができんのか。
できるのは受け入れようとすることぐらい。
受け入れて、吐き出して、繰り返せれば人は自由だ。

舞踏のように歌いたい。