takulog

兼業SSW、宅嶋淳の徒然です。

知らないひとに聴かせたい:RuffHouseで転がりはじめた。そして転がり続ける。

短くともツアーは続く。

9.11は高松 Ruff House。
俺の高松暮らしで唯一の酒場になっているライブバー。
(普段、Bar営業はやっていません)
こっちに引っ越してくる前にどうしても出演してみたくて、無粋にもメールで問い合わせ撃沈した。
撃沈、というか「引っ越してからおいでや」という真っ当なお話だったのだけど、人一倍気が小さいので、敷居を勝手に高くしていたのだった。
それでもこのお店が気になって仕方がない。
ちゃんと調べたらオープンマイクをやっているではないか。
オーディションのつもりで臨んだ結果、マスターの今城さんに今回のライブの案をいただいた。
福岡でボチボチ歌っていた俺なんぞ、高松では誰も知らない。
それは広島でも大阪でも感じたことだけど、高松は圧倒的に誰も知らない。
振りむいてよ、高松ー。
そういえば、
2000年だったか「知らないひとに聴かせたい」という、身も蓋もないタイトルのCDを作ったことがある。
※このジャケットはbigmama名義に直して2009年に再発したヴァージョン
まさにこの時の気持ち。
RuffHouseにはそんな初心や初期衝動が一杯詰まっている。
熱くならない魂を持つ人はかわいそうだ、とかつて大先輩は歌っていたけれど、かわいそうだ、とか言ってないでお前もやれや!と今城さんはしゃがれた声で呼びかける。
この日の投げ銭ライブだって、俺とAjiだけではお客さんを呼べてはいなかった。
優しい友達が見に来てくれた。
それだけではさびしかったのは事実。
しかし今城さんはそれ以上に誘ってくださっていた。
本当にありがたいこと。
誰だって当たり前のようには来れないのだから。
来てくれた神様たちは全部で10人は居なかったけれど、ライブが終わったあとも最高の時間だった。
音楽馬鹿、酒馬鹿、シンプルな馬鹿(俺です)が揃うとどこに居ても最高なんだ。
そしてもっと丁寧に準備をして臨まなくちゃ、1回しか会えない人もいるのだから。
酔っぱらった俺に今城さんはそんな楔を打ってくれた。
知らないひとに聴かせたい、だけじゃ駄目なんだ。
知らないひとと一緒に笑いたい。
馬鹿笑いでも、くすくす笑いでも、苦笑いでも。
俺もこの店もあんたのことが大好きだよ、とマイクの前に立つ人間は堂々と伝えていいのだ。
店と音楽と演者とお客。
俺はやっぱりちっともわかっていなかった。
その分、気づくたびに感動して、また歌う。
聖なる音楽酒場、RuffHouse。
酒と音楽を頭から浴びれる店。
愛がわりと転がっています。