20歳になったから、
結婚したから、
子供がいるから、
そんな理由で人は大人になるわけではない。
それはきっかけでしかない。
餓鬼のような感性を子供に押しつけることを当世では「毒親」なんて言うけれど、それはきっと昔から変わらない。
自立を認知する年齢って人それぞれなんだろうなー、とこの頃よく思う。
おそらく俺は本当の意味で自立してはいない。
家族が居なければきっとまともに働かないし、金が無いことを理由に他人を傷つけるだろうし、他人を幸せにしない自分を呪うふりをしながら甘え続けているだろう。
酒の量はきっと数倍。
家族じゃなくても、大事な人の存在は人間を正気にすることがある。正気を保つ時間が長くなって初めて自立が訪れるんじゃなかろうか。
俺は中折れって感じかなー。
そんな俺を正気に、またはムキにさせる数少ない人間に長男がいる。
彼と妹がいなければ、俺は世の中についていけなかっただろうし、親をただ悲しませたに違いない。
まず、間違いなく音楽はやめていただろう。
だから今いらっしゃる、少数派の理解者の皆様とは会えなかった。
少しずつ大人になってきた俺は、彼や妹の未来をあんまり考えなくなり、干渉することもなくなった。
もう俺より賢いし、やさしい。
あとはたくさん失敗して強くなるだけ。
そんな長男の就職先が決まった。
仕事はいつか辞めるものだから、これからも何度も就職先が決まっていくんだろうけれど、この日の嬉しさは忘れない。
姪の就職先が決まった時は嬉しくて散財したから、長男の時は慎重になっているが嬉しいに決まってる。
小学校の先生になるらしいので、毒親や俺のような馬鹿親と対峙するんだろうね。楽しんで苦しんで最後まで笑って働いてください。
なんだか一冊の本を読み終えた感じ。
お前はまだその本を書いている気すらせんのやろうね。
また、マチルダ観に行こう。
可愛い彼女に捨てられませんように。
小学生の頃に書いたらしい。
子供の頃の写真って人生の鏡になるよ。
暗い時代も良い時代も笑顔を失わんように。